休日のジャズ
えー、また来ましたね、休日。
というわけで今週もゆったりと休日のひと時をジャズでお楽しみください。
今週はまた、完全に自分の趣味に走って女性ボーカリストを紹介します。
JO STAFFORD(ジョー・スタッフォード)です。この人は、なんて言うんですかね、ジャズボーカリストとポップスのボーカリストの中間にいる人というか・・・普段はポップスで着実に仕事しながら、ジャズはたまに歌うって感じの人ですね。
こんなこと書くと不快に思う人もいるかと思いますが、やっぱりジャズのボーカルは即興性やテクニックが求められるんで、「アーティスト」だと思うんですよ。それに対してポップスは、予定調和というか、大衆が求めるものを、大衆が求める形で、しっかり歌っていく。そういう意味では「サラリーマン」的なイメージですね、僕の中では。まあ椎名林檎みたいな存在もいますが、彼女の場合、ある意味ジャズ的な要素をポップスという形で表現してるからあんな感じだと思うんですよね。彼女自身もジャズ的なアレンジを好んでいるみたいだし。
で、ジョー(スタッフォード)の話なんですが、彼女は基本、ポップスの人だと思います。歌い方もすごく素直だし。ジャズを歌ってても、ポップス寄りの歌い方ですね。きっちり歌詞を歌い、メロディーをきちんと出していく。創造性という面から見れば、彼女はつまらない存在なのかもしれません。
しかし、彼女の声には独特のぬくもりがあるんですよ。それが、経験したことのない、知っているはずもない「古き良きアメリカ」ってヤツを感じさせるんですね。「ああ、こういう歌が歌われていた時代のアメリカっていうのは、温かくて素敵な感じだな」って思える。彼女の声自体がその時代の空気を反映してるような、そういう感触があるんですよね。
彼女の歌を聴いてると、ものすごく心が安らぎます。僕の家に暖炉があるはずもないですが、家に暖炉があって、その前で温まってたら、こんな感じなのかなっていう。ひとつの「帰るべき場所」だと思うんですよね。そういう世界を、彼女は歌で体現できる。
僕は女性ボーカルを聴くとき、まあ男の妄想なんですが、女性のいじらしさとか、健気さとか、愛らしさ、可憐さみたいな、そういう、古い価値観から見た女性のポイント?を楽しみに聴いてるんです。ジューン・クリスティが好きなのも、彼女の歌が可憐だからなんですね。
ジューン・クリスティの歌を聴くとき、僕は彼女を完全に「異性」としてとらえている気がするんですが、しかしジョーの場合は、歌に性的なアピールが無いというか、女性の歌を聴いてるというより、故郷の古い歌を聴いてるような、もはや性別とかは関係無い世界のものとしてとらえてる気がします。
だからこそ、あまり特色が無いといえば無い彼女の歌が、長い間ジャズファンに愛されているのだと思います。包容力の勝利?ですかね。
それと、このタイミングで彼女を紹介するというのは理由がありまして。彼女の代表作は『オータム・イン・ニューヨーク』というアルバムなんですが、もう秋終わっちゃうでしょ(笑)。こっちなんか既に雪降ってるし。真冬に彼女の『オータム・イン・ニューヨーク』を聴かせるというのもなんなので。
それでは聴いてください。
http://jp.youtube.com/watch?v=WpL8bQDY_eE ←ジャズのスタンダード、『オータム・イン・ニューヨーク(ニューヨークの秋)』です。素直で、伸びやかな歌い方。秋の、曇天の、ちょい湿った感じの空気と、落ち葉の中を歩く感じを強くイメージさせます。この歌を聴くたびに「ニューヨークの秋って雰囲気があって素敵なんだろうな」って妄想してます。
http://jp.youtube.com/watch?v=1GN0hpq2jAs&NR=1 ←ちょっと彼女にしてはパンチのある歌い方をしてますね。でもやっぱり優しい歌い方だなぁ。この、逸脱しない感じが安心感を与えるんですかね。
http://jp.youtube.com/watch?v=PsvBzhtwMbY&feature=related ←しっとりとした彼女の声のイメージにぴったりの曲。
http://jp.youtube.com/watch?v=PsvBzhtwMbY&feature=related ←もう彼女の歌に関してはあんま書く事も無いんですが(笑)。とにかくこういう歌い方をする歌手も必要なんだということですね。何でもかんでもアレンジしまくってテクニックを見せつけるとか、創造性が全て、みたいなもんは、ちょっと違うんじゃないかと。やはりこういうボーカリストも高く評価されて然るべきだと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=4gXI5oUhseo&feature=related ←名曲、『スターダスト』です。ウチのオヤジも大好きな曲です(笑)。彼女は歌い方が素直なんで、原曲のイメージをつかむのにとても良い歌手だと思います。ジャズはアドリブを楽しむ要素が大きいんですが、アドリブってのは「原曲に杭打ってヒモをくっつけてどこまで遠くに飛べるか」みたいな感じですから、まず原曲を知って無いと楽しさがわからないっていう部分もあると思います。「あの原曲をこんな感じにアレンジするのか。すごいな」って思えるようになると、ジャズの楽しさは何倍にもなると思うので、彼女の歌は原曲を覚えていく教材としてとても良いんじゃないかと。
http://jp.youtube.com/watch?v=oqO5YyCsIkk&feature=related ←これもスタンダード、『ビギン・ザ・ビギン』です。僕は以前紹介したズート・シムズの演奏が好きです。
http://jp.youtube.com/watch?v=9p5JCxehc8U&feature=related ←ジューン・クリスティの回でも紹介した曲です。
http://jp.youtube.com/watch?v=6HVpPouY8j4&feature=related ←スタンダード、『帰ってきてくれたら嬉しいわ』です。これもすごく良い教材になると思います。掲載数も多くなっちゃいますね、有名曲ばかり歌うので。ヘレン・メリルの歌で有名な曲ですが、あちらがうらめしそうに情念たっぷりな感じなのに対して、ジョーの歌は小ざっぱりしてますね。
http://jp.youtube.com/watch?v=l-QXhJPLmAk ←名曲、『枯れ葉』を歌っている映像です。良い歌です。教材としても最適。彼女のあとに出てくるのはローズマリー・クルーニーという女性です。落ち着いたジョーなんとか違って、もうちょいアイドル的な女性ですね。美人として知られているので、そういう要素も加えて聴かれる女性です。彼女もそのうち紹介する機会があると思います。あんまり好きな声では無いんですが。
http://jp.youtube.com/watch?v=Vf1fnO0kvVw ←これもスタンダード。
http://jp.youtube.com/watch?v=QXUXQzgGjOA ←名曲、『煙が目にしみる』です。トヨタのCMです。こんな感じで、知らず知らずのうちに彼女の歌は身近にあるものなんですね。
※番外編
http://jp.youtube.com/watch?v=htmIjfNuZqs ←こちらはプラターズの原曲です。僕は中学生の頃に聴いてたラジオのウッチャンナンチャンのオールナイトニッポンの中で、後半のCM明けのBGMとしてこの曲が使われていて、それですぐに気に入ってオールディーズのCDを買って聴いてました。本当に、「超」がつく名曲だと思います。歌詞の意味が知りたくて自分で訳して、それを当時の彼女への手紙に書き添えたりしてました(笑)。いやー、恥ずかしいっていうか、痛すぎ。顔を赤らめて手で覆いつつ「いやーっ!」って100メートルくらいダッシュしたいです、思い出すと。若気の至りとはこのことだ。
http://jp.youtube.com/watch?v=9r2pEdc1_lI ←オマケでプラターズの名曲、『ONLY YOU』です。よく変な感じでモノマネされてますが(笑)、良い歌です。
※CD紹介
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AE%E7%A7%8B-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89/dp/B0000084AZ/ref=sr_1_5?ie=UTF8&s=music&qid=1227892391&sr=1-5 ←彼女の代表作です。普段はアドリブしまくりの演奏が好きな僕も、しばらくすると、ふと聴きたくなります。
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